小池ゆりこ氏政見放送文字起こし【2016東京都知事選】NHK

【NHK総合 政見放送・経歴放送 7月22日(金)22時25分~22時45分】より
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東京都知事候補者
無所属 小池ゆりこ 64歳
カイロ大卒。キャスター。参議院1期、衆議院8期、防衛大臣、環境大臣、沖縄北方大臣、安保担当総理補佐官、自民党総務会長。
では、小池ゆりこさんの政見放送です。

都民の皆さま、東京都知事候補の小池ゆりこでございます。24年間の参議院、衆議院生活の間、環境大臣、防衛大臣など行政の実務にも携わってまいりました。環境大臣時代には気候変動対策としてクール・ビズの発案など、国民の皆様の共感を呼び起こし大義を達成する手法で、ささやかながら社会を変革してまいりました。私は持続可能な発展ができ、世界に誇れる首都・東京へと、この東京を大改革していきたいと自ら手をあげました。私個人の再就職探しではございません。この大東京を、都民にとって、より暮らしやすい、働きやすい、子育てのしやすい、そんな東京にグレードアップしたい、その一心なんです。

では何をするか。まず都政の透明化です。都議会自民党の一部の強引なやり方で、都民が置き去りにされています。都知事の頻繁な交代や、今回の知事選候補者選びなどもその一例です。都政への信頼回復、都民のための都政、これを取り戻してまいります。東京オリンピック・パラリンピックの成功のためにも関連予算や運営の適正化はかかせません。いつ、誰が、何を、どこで決めているのか。都民の税金が無駄に使われてはいないか。都全体の行財政改革も徹底して行わなければなりません。そのためにはまず、自ら身を切る改革として、都知事の報酬を削減してまいります。そして三つの新しい東京を作ります。それはダイバーシティ、セーフシティ、スマートシティです。

第一にダイバーシティです。
すなわち、女性も、男性も、子供も、シニアも、障碍者も、生き生きとして生活して活躍できる都市・東京づくりです。中でも人口の半分を占める女性が、仕事か、子育てかといった二者択一ではなくて、自らの夢を実現でき、生き生きと暮らせる、家族と共に暮らせる、そんな東京を目指しています。これまで政策の片隅に放っておかれた女性政策を正面に引っ張り出すのです。女性支援のためにも待期児童ゼロを目指して、保育所の受け入れ年齢、広さ制限などの規制を見直してまいります。介護離職ゼロについては市ヶ谷の学校跡地など都内の遊休空間を有効利用しますが、でも肝は、保育士、介護士の待遇改善なんです。財源?それは行財政改革、オリンピック・パラリンピック、その予算の見直しなどからも確保してまいります。高齢者にとっても安心できる医療制度の充実も必要です。実は私3年前に、母を自宅で看取りました。その経験をもとにして、地域包括ケアシステムを一層充実してまいりたいと思います。また当たり前とされてきた長時間労働、あの凄まじい通勤の満員電車、これもゼロを目指してまいる、その工夫をしていきたいと思います。人々の共感を呼ぶ意識改革、制度改革、そして技術改革のセットで社会は変わっていくんです。

第二に、もっと安心、もっと安全で、もっと元気なセーフシティとします。首都直下型地震や水害などに備えて、東京の耐震化、不燃化を推進してまいります。またニョキニョキと生えている電柱の都道ゼロ化を強力に進めます。地域の絆の役目を果たす町会や商店街の発展を支えます。治安、テロ対策は内外の連携で万全を期してまいります。多摩格差ゼロを実現し、島しょ部にもしっかりと目配りをいたします。

第三は、世界に開かれた環境金融先進都市・スマートシティの確立です。環境大臣の経験をもとに、再生エネルギー、水素、バイオの活用、LEDなどの省エネ技術を駆使して、また徹底して普及させていきます。都市農業を守ることもヒートアイランド対処にもなります。
私は東京を環境先進都市とする方策と自信があるんです。経済ニュースのキャスターを務めておりました90年代ごろ、東京、ロンドン、ニューヨーク、これが世界の三大マーケットだったんですね。今やアジアの拠点、シンガポール、香港、移っています。私はもう一度東京をアジアのナンバーワンの座に取り戻したいと思っております。日本経済の基礎となる中小企業の支援、事業再生、ベンチャー支援、強力に進めてまいります。そしてその術は、実は既にあるんです。特区制度です。これを最大限活用することであります。

さて皆さん、もはやたった一人の厳しい戦いです。いばらの道です。組織戦対一個人。女一人の戦いになってしまいました。でも私は都民の都民による都民のための都政を取り戻すための大義ある政策を高らかに掲げて、都民の共感を得て、この戦いに勝ち抜く思いであります。どうぞ小池ゆりこに。

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